レーシングにツーリングに幅広い活躍をした |
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ベンリイ・スーパー・スポーツCB92は、ホンダがT.Tレースのライト・ウェイト・クラスに参戦するために開発したCB90をさらに改良したオートバイである。 スーパー・スポーツのネーミングから推察されるように、このマシンはレース活動にも使用できる設計がされている。しかし、販売の目的がツーリング・モデルとしての市場開拓であったため、スポーツ・モデルとしては当時では珍しくスターター・モーターが取り付けられていた。そのため、始動が簡単なスポーツ・モデルであった。 また、一般走行に支障のないように、前照灯やテールライトなどの保安部品が簡単に取り外せるようになっていた。くわえて、高度な走行性能を発揮させるレース専用のY部品や、種目に合わせたエンジン、車体、足回りなどのレーシング・パーツが多彩に用意されていたため、このマシンは人気の高いモデルであった。 |
SPECIFICATION
made in JAPAN | Displacement | 124cc | |
Compression ratio | 10:1 | Maximum horse power | 15hp/10500rpm |
Maximum torque | 1.06kg-m/9000rpm | Weight | 165kg |
幻の水平対向4カムシャフト。 |
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偉大なるボクサー(ボクサーとは水平対向の意味)BMW、RS。RSとは、レン・シュポルト(RENN
SPORT)を示す。 BMWで名高いRSは、レーシングバイクの呼び名というよりは、30基生産された水平対向2気筒(4カムシャフト・エンジン)を指すことが多い。なぜなら、1953年に発表されたこのエンジンは、後年、その多くがサイドカーに転用されたからである。 そして、レーシング・エンジンとしては異例の長寿命を誇り、活躍は1970年代後半に至るまで、実に20年以上にも及んだ。 1937年から1947年にかけて、BMWのスーパーチャージャー付き500ccのワークスマシン(2輪)は、まさに、向かうところ敵なしの強さを発揮した。1939年、このマシンは世界屈指の難コースとして知られるマン島TTで優勝し、その名を一躍世界に知らしめたのである。 1947年以降は、スーパーチャージャーの装着が禁止されたため、エンジン、フレームともに新設計されたRS54と呼ばれるワークスマシンが活躍し始めた。このレーシングバイクは、フレームの剛性が弱く、シャフトドライブに独特の癖を持っていたため、乗りにくかった。また、イタリアン・マルチシリンダー・バイクに対して、パワー的にも劣勢となり、レースで優勝することはなかった。このような条件で、ヨーロッパのBMWファンを沸かせた日本人ライダー伊藤史郎の活躍は特筆に価する。 PSエンジンは、ソロ(2輪)での活躍よりも、サイドカーで力を発揮することが知られてきたために、水平対向で重心位置が低い、高トルク型のこのエンジンは、サイドカー用として理想的な特性を持っており、パワーも最終的に70馬力にまで上げられた。そして、1967年から1974年のあいだ、6回、サイドカー・チャンピオンに輝いたのである。 |
SPECIFICATION
made in GERMANY | Displacement | 492cc | |
Maximum horse power | 70PS/11000rpm | Bore per stroke | 70×64mm |