Ferrari 308GTB Fiberglass

ferrari 308 gtb photo

フェラーリの歴史はモータースポーツの歴史。

レースをするために生まれてきた男、エンツォ・フェラーリ。フェラーリの歴史は創始者である彼自身の歴史である。と同時に、第一次世界大戦から今日に至るまでのモータースポーツの歴史と言っても過言ではない。
あくまでレースを目的とした彼は、20代の初め、アルファ・ロメオに所属。ドライバーと経営の才能に恵まれ、アルファ・ロメオは彼のもとで第一期黄金時代を迎えた。
40代を過ぎた頃独立。今度はアルファ・ロメオのライバルとしてレース界に登場した。1948年、12気筒の166シリーズ第1号がデビュー。数々の改良の後、1951年、宿敵のアルファ・ロメオに念願の勝利を収めた。一方で、4気筒のレーシングマシンを開発。1952年から53年にかけてGPでの8連勝を記録するなど、フェラーリのマシンは発足以来6年目で王座についた。その栄光と輝きは現在でも変わらない。また、F2用の6気筒エンジンも開発。このエンジンは、若くして亡くなった彼の愛息「ディーノ」の名前が刻まれていることで有名である。

フェラーリでもっとも成功した実用的な高性能スポーツカー。

レース資金を稼ぐために少量の高性能スポーツカーの市販モデルを生産したフェラーリ。308シリーズもそのひとつであり、ディーノ246GTの後継車として誕生した。
このシリーズは、12気筒エンジン搭載が主流であった従来のフェラーリマシンとは異なり、8気筒、3リットル、DOHCユニットを採用。8気筒のパワーユニットを搭載した市販モデルは、このシリーズがフェラーリで初めての試みであった。実用性のより高いマシンをコンセプトとし、246GTシリーズよりも気筒数、排気量の向上を図った。扱いやすいエンジンとボディサイズ。ピニン・ファリーナによる流麗なスタイリング。12,143台の大量生産。そして、フェラーリとしては比較的廉価であったことから、「少し身近なフェラーリ」としてもっとも成功したモデルといえる。

四国自動車博物館に展示の308GTBは、1975年にデビュー。FRP製の軽量ボディと、エンジン搭載位置を低くするためにドライサンプ方式を採用した初期モデルで、712台しか生産されていない中の1台である。
その後、1977年にタルガトップの308GTSが加わり、ウェットサンプ、スチールボディに変更されている。

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