TOYOTA 2000GT (前期モデル)

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トヨタ2000GTは、トヨタが世界に誇る本格的なグランツーリスモとして、1965年の東京モーターショーでデビューした。ロングノーズ/ショートデッキの魅力的なスタイリングもさることながら、バックボーンフレーム構造や6気筒ツインカムエンジン、4輪ディスクブレーキ、マグネシウム・ホイールなどメカニズムにおいても高く評価されている。

エンジンは3連のソレックス型キャブレターを装着した水冷直列6気筒DOHCを搭載。クラウン用M型6気筒OHCに、ヤマハ発動機がチューンナップしたDOHCヘッドを搭載して開発された3M型エンジンである。
150馬力を受け止める足廻りには、前後ともダブルウィッシュボーンの独立懸架、クロスレシオの5段ミッションを組み合わせ、さらにリミテッドスリップデフや日本初の全4輪真空倍力装置付きディスクブレーキ等を採用し、最高速度215km/hを上回る高速性能と、抜群の耐久性を発揮した。さらに、より安全な高速運転のためにバケットシート、ヘッドレストと3点式シートベルトを装備。またドライビング・ポジションも、シートの前後移動、背もたれの角度、ステアリング・ポストと、3つの調整が可能となっている。

日本初の耐久レースともいうべき66年の鈴鹿1,000kmレースでは、1-2位を独占したほか、その年の10月に谷田部テストコースで行われた超高速耐久トライアルでは、3つの世界記録と13の国際新記録を樹立。世界水準に達する優れた耐久性を実証してみせたのである。
販売に移されたのは67年の5月から70年の8月。当時の価格は238万円。カローラが50万円程度で買えた時代の話である。

この、博物館で展示している2000GTは、長い間アメリカのディーラーで保存されていた。内外装ともにレストアを施していない、完全オリジナルである。なお、当博物館所有の2000GTは2台とも左ハンドル仕様である。  

 
エンジン トヨタ 3M 水冷直列6気筒DOHC
排気量
最大出力
最大トルク
最高速度
圧縮比
キャブレター ソレックス型3連
クラッチ 乾燥単板油圧操作式
乾燥重量