Vincent HRD Black Shadow



かつてビンセント社というイギリスのメーカーが生産していたスーパースポーツで、1950年代初頭に、1000ccのVツインエンジンで最高速200km/h以上を叩き出した驚異のマシン。
特筆すべきはその並外れた走行性能ばかりではなく、芸術品を思わせる造形にもある。Vツインエンジンのヘッド周りへの複雑かつアーティスティックなオイルラインのパイピングの美しさは、鉛管工の悪夢と敬意をこめて呼ばれたという。黒で統一された中にシルバーパーツが輝く引き締まったボディは、ガーターフォークが醸し出す低く構えた精悍なフォルムと相まり、まさにブラックシャドウという名にふさわしい力強さをアピールしている。