ネッツトヨタ南国×ビスタワークス研究所
2015年度インターンシップ実施報告
「これまでにないインターンシップを創ろう!」
世の中に溢れるインターンシップは一体何のために存在しているのでしょうか。仕事を実際に体験することは、就きたい職業を「覗き見る」手段としては有効かもしれません。しかし、限られた職種の業務知識を増やすことにどのくらいの意味があるのでしょうか。
ネッツ南国は自動車販売会社ですが、当社最大の特徴は車を売っていることではない。「教えないから人が育つ」という独自の人財育成こそが特徴ではないか。よし!それなら今年のインターンシップは、それを体系化するビスタワークス研究所とのコラボレーションで「これまでにないインターンシップ」を学生に創ってもらおう!と考え、少々壮大とも思えるテーマのもと、「難しいことに挑戦したい」「考える力をつけたい」というやる気に満ちた学生8名限定で開催しました。
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◆ロジカルコース(小論文)または クリエイティブコース(制作)から選択 ◆オリエンテーション ◆自己紹介(個人のインターンシップ参画目的) |
昨年までのインターンシップは選考なしで、エントリーのあった学生を全て受け入れていましたが、今年のインターンシップは「本気で力をつけたい人」限定。そこで、初めて事前課題による選考を設けてみました。課題の内容は以下の通りです。 [ロジカルコース] ◆小論文「企業経営の目的とは」 ◆小論文「インターンシップでしか得られないこと」 [クリエイティブコース] ◆「地元に若者を呼び戻す」キャッチコピー ◆オリジナル夏休みカレンダーの制作 これらの課題を見事乗り越え、8名の学生が集まりました! 事前の顔合わせでは初対面特有の緊張は感じられたものの、それぞれがこのインターンシップで何を得たいのか、個々の目標やインターンシップに参画した動機などを共有。皆の顔からは、この仲間でやるんだ!という気合が感じられました。 |
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◆「どんなインターンシップを創りたいか」を話し合い ◆「来年インターンシップを体験した学生に、 どんな風に成長して欲しいか」を話し合い ◆10日間のスケジューリング ◆インターンシップ制作に必要な要素の洗い出し ◆ネッツ南国創業者 横田英毅さんとのクロストーク 「目的と目標」について ◆目的と目標について再確認 ◆翌日以降のスケジュールを立て直す |
「これまでにないインターンシップを創りたい!」熱い意気込みで始まった初日。しかし、与えられたのは10日間という時間と、ぼんやりとしたスケジュールだけ。そう、学生たちには「新しいインターンシップを創る」とともに、自分たちで10日間のスケジュールを立て行動する「タイムマネジメント力」も求められていたのです!さて、どうする?と話し合ってみるものの、どうしていいかわからずまとまらない意見。決まったことといえば、5日目に野外活動に出かけるということだけ…。 自分たちで一から創ることがどれほど難しいかを実感しました。曖昧な言葉を並べるのは簡単にできても、それを深く掘り下げていくことがとても大変でした。また、メンバー1人ひとりに違う考えや価値観があり集約するのが困難だと思っていた部分も、根本は似たようなものである場合も多く、深く考え対話することの重要性を学びました。 [神戸学院大学 3回生 女性] インターンシップ初日を終えて感じたことは、何の手がかりもないところから考えるのはこれほど難しいのか!ということでした。[松山大学 2回生 男性] 横田さんとのクロストークの内容を受け、これまで何気なく使っていた「目的」「目標」という言葉について、改めてその意味や違いを知ると混乱の渦へ。また、自分達の考えていた「インターンシップ制作の目的」に迷いが生じはじめたため、もう一度言葉の定義を見直し、「目的と目標」の再設定を行った。目的・目標を明確にしていくのは本当に難しいことだと痛感できたのは、自分たちでとことん議論し合い、ある種答えのないものを探求していくプロセスがあったから。もし最初から答えを提示され、その通りにやっていたら時間はかからず物事が決まっていくと思うが、完成した時の達成感や理解度は著しく低いものであったと思う。 [愛媛大学 3回生 男性] インターンシップを創る目的と目標が定まった。今日学んだことは、「目的と目標を決めるのはとても苦しい」ということ。しかし、方向と距離さえ分かれば、あとは進みながら修正していける。目的と目標がどれほど大切なものかを改めて感じた。[松山大学 3回生 男性] |
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◆5日目の野外活動の計画を立てる ◆野外活動(安芸市へ) ◆野外活動の振り返りと成果発表 ◆野外活動の反省点から、新しいインターンシップの 目的を再度整理する |
ようやく頭の中が整理されてきた!と思ったところで、明日は初日に予定を立てた「野外活動」の日。さあ、どんな内容にするのかこれもイチから考えなければなりません。みんなで知恵を絞り、内容は以下のように決まりました。 [実証したい仮説] 高知の人たちは温かいのか [検証方法] 出会った人に一緒に写真を撮ってもらう ヒッチハイクで高知市内まで帰ってくる [目的地] 安芸市 しらす食堂 [ルール] できるだけ安い交通手段で移動 スマホ・自家用車の使用禁止 当日は2つのグループに分かれ、それぞれ仮説を検証していきました。ちょっとした冒険気分を味わえ、満足気な学生たち。6日目には活動の内容を振り返り成果発表を行いましたが、その内容を聞いたインターンシップ担当者からは容赦ないツッコミの嵐!「仮説に比較対象がなく曖昧」「結論付けも安易」「そもそもこの企画の目的は?」などなど…。一気に意気消沈する会議室…。 目的に対する認識がまだ曖昧で、そもそも目的って何だっけ?と根本に戻ることが何度もありました。やはり、まだ自分たちの中に落とし込めていないからこそ、こういう状態になってしまったと思います。 [松山大学 3回生 女性] |
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◆「どんなインターンシップを創りたいか」を再考 ◆ネッツ南国の社員にインタビュー 人財育成に対する考え方のヒントを得る ◆インターンシップの具体的な内容を決める |
初日に軽い気持ちで予定を入れた野外活動で、自分たちの甘さを痛感する結果となったインターンシップ生たち。すべては、野外活動を通して「何を学ぶのか」という目的が曖昧になってしまっていたためでした。この反省を機に、「インターンシップの目的」を再確認することに。それはつまり、もう一度初日まで戻って考え直すということを意味しているのです…。 7日目にモヤモヤと悩み、8日目にはやっとメンバー全員の中で「どんなインターンシップにしたいのか」また、「創る目的」が明確になってきました!ここまでくれば、あとはその目的を追求すべく「インターンシップにどんなカリキュラムを盛り込むか」を考えていくだけです! インタビューの中で見つけたネッツ南国の特徴は、「伝えたいことの根本・本質を全員が共有している」ということ。上司・先輩・後輩が共通認識を持っているからこそ、主体的に行動ができる人財が育つのではないかと思いました。 [高知大学 3回生 男性] 目的が定まり、一気に加速した雰囲気の9日目。これがあと数日前ならば…と悔やんでも仕方ありません。残された時間をいかに有意義なものにするかが何よりも大事。話し合いはこれまでで一番濃密になっていきます。もしここで妥協してしまうと、これまでの期間で学んだことや経験が無駄になってしまう気がします。絶対に最後まで諦めず、自分たちなりのインターンシップ創りに取り組んでいきたいと思います。今回のインターンシップで、今までの自分の甘かった部分の意識改革にもつながったと思います。 [松山大学 3回生 女性] |
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◆個人の10日間の成果発表 ◆新しいインターンシップの内容を発表 |
なんとかインターンシップが完成し、最終日は成果発表会。このインターンシップを通して個人が学んだことや、どんなところに成長を感じて何を課題に思ったか。そしてこれから挑戦してみたいことなどを発表しました。 前半部分に「目的と目標」で苦悩した時間が、それぞれ自分自身と向き合うきっかけとなったようです。振り返れば、様々な課題に立ち向かった10日間。時間が足りない!と焦り不安を感じたこともありましたが、8人で協力して乗り越えることができました。 肝心の「新しいインターンシップ」の仕上がりについては・・・。実は、決して大満足とはいかなかったとのこと。しかし、それこそが成長の証ではないでしょうか。物事の本質まで考えられるようになったからこその感想だと思います。 何はともあれ、最後まで逃げ出さずにこのインターンシップと向き合った学生のみなさん、本当によく頑張りました!花マルっ!! |
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結果としては「新しい魅力あるインターンシップ」には一歩届かず、言葉に負けてしまったところがあるが、創るにあたって我々が込めた想い、疑問、発想は全面的に押し出せた。 [松山大学 3回生 男性] 改めてプロジェクトの目標達成には、適切なタイムスケジュールの設定や、デッドラインを作ることが重要であると身を持って感じることができました。この部分が私の中でとても悔しく、時間が足りなかったために発表をする内容が表面的というか、薄くなってしまったのではないかと思いました。 [松山大学 3回生 女性] プレゼンは正直淡々とした進め方で、全く面白味のない出来でした。みんなで納得して創ったインターンシップなので、本当に学生や企業の方々にやりたいと思ってもらえる「伝え方」にもっともっと焦点を当てるべきであったと思います。 [松山大学 3回生 女性] 完成したものを後から見ると、少し味付けが足りなかったなというのが正直なところである。もっと学生を惹きつけられるように、そして企業に取り入れたいと思ってもらえるように、もう少し何かできたのではないかと感じている。ただ、ではそれが何かと聞かれると、今の時点では分からなかった。現在の自分、他のメンバーの最大限の到達点がここだということを認識する結果となった。しかし、この到達点は2週間前と現在ではかなり変わったと実感している。 [愛媛大学 3回生 男性] |
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