― インターンシップ初日に感じたことは?

【これまでにないインターンシップを創ろう!】というテーマに惹かれて、今回インターンシップに参画しました。「一体どんなことをやるんだろう?」と思っていたら、初日にいきなり「じゃあ、あとは好きなようにどうぞ」という感じで、「えっ、ここから自分たちで考えるの?」と驚きました。これまでにも大学のイベントなどで企画をやったことはあったけど、それにしてもここからやるんだ、と。

― 確かに、いきなり放り出された感じだよね。そこから順調に進んだかな?

いえいえ、みんなで悶々と悩む日々が続きました。力を合わせて考え抜いて3日目くらいに、どんなインターンシップにしたいかはほぼ決まったんです。僕たちの創ったインターンシップを経験した学生には、「変化を生み出せる人」になって欲しい。そのためのプログラムを創るんだと。でも、ゴールは見えてもその過程に必要なものが全然見えなくて…。

― そんな中で行った野外活動。これについてはどうだった?

それまで会議室にこもりきりだったので、ヒッチハイクだとか好きなことができて、とにかく楽しかったです。ただ、戻ってきてこの経験をインターンシップ創りに活かそうと思ったら、なんだかしっくりこなくて。「あれ?これって何のためにやるの?」「自分たちの創りたいインターンシップとどう繋がる?」という風に考え込んでしまいました。

― それはどうして?

何をしたら楽しいかとか、学生は何をしたいのかとか、ニーズを満たすことばかり考えていたからだと思います。「変化を生み出せる人になって欲しい」という目的を忘れてしまっていたんです。

― 野外活動が終わってから気づいた…。ショックでしたか?

はい。活動内容の発表後に、社員の皆さんから色々な指摘をいただきました。それで、「どうしよう…楽しいだけで終わってしまった」と気づいたんです。でも、楽しかったことに間違いはないんだから、これを何か学びにできないかと考えました。そしてみんなで話し合って、学生たちが「いつか挑戦したい」と思っていることが、環境が整わない・勇気が出ないなどの理由でなかなか行動に移せないでいるとしたら、そこを一歩踏み出せるような内容を組み込みたいと考えたんです。

― なるほど。でも、そこからが苦しそうでしたね。振り出しに戻ったような感じで…。

そうなんです。野外活動では、自分たちの創りたいインターンシップのプログラムに対し仮説を立て検証したはずだったのに、それをバッサリ切られてしまったので(笑)。何を組み込めばいいのか、そもそもプログラムの創り方がわからない。

― もう一度自分たちの創りたいインターンシップの目的・目標を整理し直して、そのために必要なプログラムを考えていったよね。それで、最終的な成果物に対する満足度はどのくらい?

正直に言うと、個人的には出来上がったインターンシップはイマイチだったと思います。どこかパンチが足りないというか、当初はもっと斬新で、目をひくものができるとイメージしていたので。でも、仲間8人で協力して創り上げた過程にはとても満足しています。

― そうだよね。最初は何も考えていなかったからこそ、「新しいインターンシップを創る」ことばかりにとらわれていた。でも、目的や目標を考えれば考えるほど、「新しい」だけが大切じゃないって気づいたのかもね。

はい。最初は本当に、「変化を生み出せる人になって欲しい」という目的を二の次にして、目新しさだけを求めていました。でも、目的について考えるほどに当初のイメージとは遠ざかっていったんです。途中、進捗状況が目に見えてわからないし、完成図はなんとなく浮かんでいるのに辿りつけない不安に包まれた時もありました。でも、今ではその経験こそが大切だったんだと思っています。

― どうしてそう思うのかな?

大学ではプレゼンもそれ程シビアに評価されないし、結構やさしいと思います。でも今回のインターンシップでは一つ一つの行動に対して目的を考えたり、それを仲間と共有したりと、「何となく」で形だけ整えて物事を進めていく「妥協」が許されなかったんです。

― そう聞くと、なんだか怖い感じがするね(笑)

普通のインターンシップであれば、業務体験を通してその業界のことが知れて、将来の就職活動などに具体的に活かせるんだと思います。そういう意味では、ネッツ南国×ビスタワークス研究所のインターンシップでは業界のことは一切わかりませんでした。でも、社会人になる上でどの会社に言っても必要となる「根底」の部分を学べたと思っています。うまく言葉にできないんですが…。

― えっ、言葉にできないの?(笑)

いえいえ(汗)、でも一つ確実に言えることがあります!それは、「チームで何かを目指し進んでいく時には、目的をはっきりさせ言葉の定義を共有する」ことが何よりも大事だということ。ここが揃っていないと、同じ方向に向かっていると思っていても、実際にはギャップが生まれてしまいゴールに辿りつけない。
最近は、学校の活動などで話し合いをする時も「それはなんで?」とか「今の言葉の意味は?」という風に考えるようになりました。自分では、この部分が今回のインターンシップで成長できたところだと思っています。インターンシップを終えてから一ヶ月、自分が本当に学んだことは何なのか…これからも考え続けていきます!